研究室紹介

地形・地質学研究室

 地形・地質学研究室は,将来の地球環境変化を予測することを最終的な目標として,それに必要な過去の環境変化や地形形成過程など,大地に刻まれた情報を解明する研究を行っています.現在および最近の地質時代(第四紀)の 地形・地質に関連する様々な現象が主要な研究対象です.最近行っている主な研究テーマを挙げると次のとおりであり,日本をはじめ世界各地での野外観察・観測,あるいは室内での実験によってバラエティに富む研究を行っています.

  • プレート境界域の第四紀地殻変動に注目し,その時間的変遷や地震発生様式からプレートの収斂・衝突過程の詳細を明らかにします.
  • 日本列島とその周辺海域に広く堆積している火山灰に注目し, 爆発的噴火の頻度・規模とメカニズムの解明,火山噴火史の復元,日本列島スケールでの火成活動の変遷史を明らかにします.
  • 地形変化や堆積記録の調査結果を基に,過去百万年間〜最近十年間スケールの環境変遷史や災害史を復元します.
  • 火山灰層序,放射性同位体測定や歴史記録などを研究し,これらの時間指標としての有用性を高めます.
  • モデリングを駆使して,火山活動・断層運動などの内作用と地形変化の相互関係を捉えます.
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    火山と河川のつくる地形
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    地層は様々な過去を語ってくれます
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    火山灰にも一枚一枚個性があります

研究室教員

教授:

  • 鈴木 毅彦(地形学,第四紀学,火山学)

  • 研究内容の紹介:
     専門は自然地理学で,なかでも地形学,第四紀学,火山学分野の研究を主に行ってきました. 具体的なテーマとしては,これまで関東・東北地方を研究対象地域にして,火山灰層を用いてどのように地形ができてきたのか, どのように火山が噴火してきたかを研究してきました. 最近とくに興味を持っているのは東京の地下地質であり,地下に埋もれている火山灰層をもとに, 立川断層の活動史や関東平野の形成過程の解明を目標としています.

准教授:

  • 白井 正明(堆積学,第四紀地質学,海洋地質学)

  • 研究内容の紹介:
     砂粒は陸地で岩石の侵食により生じ,河川水や沿岸流などの働きにより,沿岸部や深海にまで運ばれます. これらの砂の旅をOSL(光ルミネッセンス)測定なども用いて,独創的な手法で明らかにする研究を行っています. 最近では河川における砂の運搬作用の再評価,河川や海岸侵食をより実際的・客観的に捉える方法の開発, 深海の砂層(タービダイト)の形成と近代の災害記録の対比, これらのテーマに挑戦しています.

助教:

  • 石村 大輔(変動地形学,第四紀地質学)
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    研究室の所属学生等につきましては,各研究室のHPでご確認ください.

気候学研究室

 気候学研究室では,地球規模での気候変化から,アジアモンスーンの形成・変動メカニズム,都市のヒートアイランド現象や集中豪雨のメカニズムの解析まで様々なスケールでの気候の研究をしています.研究手法についても,現地での気象観測,気象観測資料や客観解析資料などのデータ解析,及び数値モデルを用いた気候のメカニズムの解明,と多岐にわたっており,現象のモニタリング,プロセス解明,人間活動との関係,及び将来予測など,多角的に気候の研究に取り組んでいます.気候や気候変化に興味のある学生さんをお待ちしております. 本研究室で現在行われている主な研究テーマとしては,次のようなものがあります.

  • 日本および世界における気候変化・気候変動の研究
  • アジアモンスーン域における気候変動や季節変化の研究
  • ヒートアイランド現象や都市型豪雨などの都市気候の発現プロセスや発生機構,都市大気の詳細構造の観測研究
  • 熱帯域を中心とする地表面状態と雲・降水活動の相互作用に関する研究
  • 日本を中心とする歴史時代の気候復元に関する研究
  • 長野での気球観測
    長野での気球観測
  • モンゴルでの気象観測
    モンゴルでの気象観測
  • 東京の人工衛星熱画像
    東京の人工衛星熱画像

研究室教員

教授:

  • 松本 淳(モンスーン気候学,環境気候学)

  • 研究内容の紹介:
     アジアのモンスーン気候の季節変化や長期変化について,主に降水量や雲に着目して研究を進めています. ベトナムやミャンマー,カンボジア,タイ,バングラデシュなどの国々での現地降雨観測にも取り組んでいて, 色々な国から留学生も受け入れています. モンスーンアジア地域での人間活動による気候変化への影響や, 気候変化がもたらす食糧生産や洪水発生への影響などについても研究をしています.

  • 高橋 日出男(都市気候,気候変動,降水に関する気候学)

  • 研究内容の紹介:
     降水現象に関連する都市~大陸スケールのデータ解析や, 都市気候・局地風系など地域の大気環境に関わる研究をしています. 特に,(1)詳細な気象観測データを用いた統計解析や事例解析により,短時間強雨の発生に与える都市の影響を解明すること, (2)日本や世界における降水特性(強雨・弱雨の傾向など)の経年・年々変化を把握し,変化をもたらす要因を明らかにすること, (3)ヒートアイランド現象など都市気候の発現プロセスや都市大気の詳細な構造を観測的に捉えることなどに取り組んでいます.

助教:

  • 高橋 洋(気候システム,雲降水気候学,領域気候モデリング(ダウンスケーリング), 大気陸面相互作用)

  • 研究内容の紹介:
      私は,気候システムについて,全球および領域スケールで研究しております.特に,アジアモンスーン域における,雨や雲に興味があります. 雨や雲は,様々なスケールの大気の循環と密接に関わっています.データ解析(降水量や風などの現地観測や雨や雲を調べるための衛星観測データ),及び,数値モデル(領域気候モデルRCM, 全球気候モデルGCM)などの手法を用いて,研究しています.地球温暖化などの気候変化(もしくは,気候変動)や,人間活動および自然から排出されるエアロゾルの変化によって,将来,雨や雲などを含めた水循環がどのように変わるのか,という点に興味を持って,領域スケールおよび全球スケールの気候システムを研究しています.

 

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環境地理学研究室

  この研究室では,環境と人間とのダイナミックな関係に着目しながら,地域・地球環境の変化あるいは改変をいろいろな時・空間スケールの局面でとらえて,総合的に理解しようとする研究を展開しています.そのため,自然地理学を基礎にして, 土壌学,植物生態学,植物社会学,微生物学,菌学,林学,環境化学,情報科学,文化財科学などの諸科学と密接な連携を保ちながら,幅広い研究活動を行います.研究手法としては,現地での土壌調査,動植物調査,陸水調査,聞き取り調査などの調査・モニタリング観測を基本としますが,リモートセンシングデータ等の利用・解析および現地で採取した各種の環境試料の理化学分析による環境動態の把握,分析・調査法の開発にも取り組んでいます.研究地域は国内から広く海外に及び,海外では,ヨーロッパ,ロシア,中国,東南アジア,北アフリカの各地域で,寒帯・熱帯・亜熱帯・半乾燥・砂漠地域の環境変化と人間対応の研究に重点を置いています.最近の主要なテーマには,以下のものがあります.

  • 都市土壌の性状・機能の解明と分類・評価手法の開発(国内共同研究)
  • 都市公園緑地の土壌調査技術の開発(国内共同研究)
  • 冷温帯林の物質循環と土壌生態システムの解明(国内共同研究)
  • エジプト西方砂漠における遺跡・水資源に関する地考古学的研究(国際共同研究)
  • フィリピン・ピナツボ火山泥流地域の環境動態と災害復興(国際共同研究)
  • モンゴル鉱山・都市地域における重金属汚染と環境リスク評価(国際共同研究)
  • シベリア永久凍土域のタイガ林における森林火災と植生回復の関係(国際共同研究)
  • アムール河流域湿地の農地化が生元素のダイナミクスに及ぼす影響(国際共同研究)
  • 中国南部の酸性土壌改良のための生物資源利用の可能性(国際共同研究)
  • 都市域内緑地管理が周辺水域の水質に及ぼす影響(国内共同研究)
  • 土壌の炭素貯留ポテンシャルと母材との関係(国内共同研究)
  • 南大沢キャンパスでの土壌断面実習
    南大沢キャンパスでの土壌断面実習
  • 都市公園緑地における土壌硬度プロファイリング調査
    都市公園緑地における
    土壌硬度プロファイリング調査
  • シベリア永久凍土地帯の火災後の森林
    シベリア永久凍土地帯の
    火災後の森林

研究室教員

教授:

  • 渡邊 眞紀子(土壌学, 都市土壌, 環境動態解析)

  • 研究内容の紹介:
     地球上で私たち生物が生きつづけるために必要な環境要素である"土壌"は, 自然と人間の営みが複雑に絡み合ってできています. 生き物のような自律恒常性をもっています. 土壌の成り立ちと仕組みを知ることは,生命の起源や仕組みを知ること, ヒトの個性と役割を知ることへの興味と似ています. わたしたちの足元の世界には人間がもっと賢く自然と生きるヒントがたくさんあります. 世界の森林土壌に広く分布する菌核粒子の研究はその一つです. また,都市緑地を対象として,"人工造成土"からいかに都市固有の環境資産をつくるか, 持続的かつ効果的な緑化計画をサポートする都市土壌の基礎研究と技術開発を行っています.

准教授:

  • 川東 正幸(土壌生態学, 土壌生態系の物質循環, 環境化学)

  • 研究内容の紹介:
     われわれを取り巻く環境において,土壌生態系は生物生産を行う上で重要な位置づけにあります. 一方,人が関わりを持つことによって土壌は多様に変貌します.例えば,農業,木の伐採,火入れなどをすることによって土壌の構成成分や性質が変化し,ひいては生物生産機能にも影響します.これらの人為が土壌に及ぼす影響を土壌中の元素循環や構成成分の変化から捉える研究を行っています.また,極めて多様な存在である土壌の特性を知るためにできるだけ多くの土壌を対象に研究することを目指しています.

 

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地理情報学研究室

 本研究室では,地形・気候・水文・植生などから構成される自然環境についての総合的理解を目指しています. 具体的には,質量保存・エネルギー保存・運動方程式などの物理法則に基づいて, 原因から結果を説明しようとするアプローチと, フィールドでの調査・観測に基づいて事実を実証的に示そうとするアプローチを組み合わせて研究を進めています. このため,定量的データの収集・マッピング・統計解析・数値モデルなどを主要な方法論としています.教員の研究と大学院生・卒研生の指導,および地理環境科学調査法(V)を通じて取り組んでいきたいテーマには次のようなものがあります.

  • 大気圏・水圏のエネルギーと水の循環に関する研究
  • 積雪分布および積雪水資源量の把握と融雪-流出に関する研究
  • 針葉樹の分光反射特性と葉面積指数の定量的評価に関する研究
  • 阿蘇周辺および東京周辺の水環境に関する研究
  • 都市気候の数値シミュレーションに関する研究
  • GISを活用した都市の地表面状態の把握に関する研究
  • 自然環境と自然災害のモニタリング・モデリングに関する研究
  • 阿蘇大巡検での水質調査
    阿蘇大巡検での水質調査
  • 新潟県巻機山での積雪調査
    新潟県巻機山での積雪調査
  • GISを用いたトルコの地すべり解析
    GISを用いたトルコの地すべり解析

研究室教員

教授:

  • 松山 洋(水文気象学,地理情報科学)

  • 研究内容の紹介:
      「プロットスケールから地球規模までの水循環と水収支」が研究テーマで, 現地観測と理論的考察,および数値計算を組み合わせて研究を進めています. 現在興味があることは「地球温暖化に伴って水循環はどのように変化していくのか?」で, 東京都内の湧水と新潟県巻機山での積雪調査を継続して行っています. サイエンスチャンネル「水から見える地球の姿」でこれらが紹介されていますので,よろしかったら御覧下さい.

助教:

  • 泉 岳樹(都市気候学,地理情報科学,数値気象モデル)


  • 中山 大地(地理情報科学,リモートセンシング,数値地形学)

  • 研究内容の紹介:
     リモートセンシング(人工衛星から撮影した写真の分析)や地理情報システム(コンピュータ上で地理データを扱うシステム)を用いて, 主に自然災害に関する分析をしています. 特に山地部を対象にした土砂崩れや,都市域を対象にした洪水のシミュレーションなどが得意分野です. コンピュータを扱うことが好きなので,コンピュータを使って自然環境の分析をしたい方は大歓迎です.

 

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都市・人文地理学研究室

 この研究室は,人文地理学の分野を研究するグループです. 人間との関係における地域ないし空間の問題を,人文・社会科学的側面からアプローチし, 多様な人文現象の構造的な説明・解釈を目的としています. 現在行われている研究は,様々なレベルに分類できます. 対象地域としては,都市とその周辺地域を中心とし, 事象としては産業活動,人間行動や意識,その他の種々の人文・社会現象, 方法論としては計量的方法,統計的実証的手法,および文献検証的手法が使われ, 対象時期は歴史時代より現代までおよびます. 「専門は深く」,「関心は広く」を標語にして,次のような研究が行われています.

  • 数理モデルによる人文地理的現象の解析:
    1. 経済活動の立地
    2. 人・物の移動と情報の伝播
    3. 頭の中にイメージする地図と空間的行動
    4. 時間地理学的研究
  • 地域研究による人文地理的現象の解析:
    1. 人間や経済活動や文化活動と環境との関わり合いに関する研究
    2. 都市近郊における土地利用変化と諸事象の地域形成に関する研究
    3. 人間がつくる地域組織や社会組織に関する研究
    4. 環境変化にともなう人間活動の変容に関する研究
  • 都市システムの解析:
    1. 都市内部の空間構造の研究
    2. 都市群のシステム論的研究
  • 地理思想の研究
    1. 現代地理学の研究史
    2. 地理学研究分野の計量書誌学的研究
  • ヴェリブ(パリの自転車貸し出しシステム)
    ヴェリブ
    (パリの自転車貸し出しシステム)
  • 佃島のウォーターフロント開発
    佃島のウォーターフロント開発
  • 商店街の巡検風景
    商店街の巡検風景

研究室教員

教授:

  • 若林 芳樹(都市地理学,行動地理学,地理情報科学)

  • 研究内容の紹介:
     居住地や購買地の選択といった人間の空間的行動を, 空間認知や意思決定過程にまで踏み込んでミクロに解明する行動地理学が私の専門分野です. とくに都市を主なフィールドとして,人間の空間的行動と空間構造との関連性を, GIS(地理情報システム)や行動科学的手法を用いて実証的に明らかにする研究を手がけてきました. 最近は,空間的思考にGISや地図が果たす役割や,GISと社会との関わりにも関心をもっています.

准教授:

  • 滝波 章弘(文化地理学,ツーリズム,フランス語圏,風景論,地域文化)

  • 研究内容の紹介:
     日本の地方を事例に,伝統文化や自然環境を生かした観光のあり方に関心をもっています. また,フランスやスイス仏語圏を対象として, ツーリズムや街並み景観の文化的な特徴を調べています. さらに,ツーリストの旅行経験や旅行メディアの地域描写も取り上げています. 普段何気なく見過ごしていることからも, 大事なことが引き出せるのではないかと考えています.

助教:

  • 坪本 裕之(都市地理学,オフィス研究)

  • 研究内容の紹介:
     都市内部の土地利用に強く関わる,中心部のオフィス立地研究を行っています. 地図データや統計データを用い企業に聞き取りを行って, 企業がオフィスとして都心空間をどのように占有しているかを研究しています. さらにその結果を基に,企業が実際に立地コストを評価する際に必要な評価基準を構築する研究をしています. その他,東京の高齢化を迎えている郊外地域,および人口急増が見られる都心周辺地域の新興住宅地研究も行っています.

 

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